平成25年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問11
【問題11】
プロジェクトの進捗管理をEVM(Earned Value Management)で行っている。コストが超過せず、納期にも遅れないと予測されるプロジェクトの状況を表しているのはどれか。ここで、それぞれのプロジェクトの今後の開発生産性は現在までと変わらないものとする。
【解説】
EVM(Earned Value Management)は、プロジェクトの進捗とコストパフォーマンスを定量的に評価する手法です。主な指標は以下のとおりです:
- PV(Planned Value):計画された作業の予算(計画値)
- EV(Earned Value):実際に完了した作業の予算(出来高)
- AC(Actual Cost):実際に発生したコスト
コスト差異(CV):EV – AC
– 正の値:コストが予算内であることを示す
– 負の値:コスト超過を示す
スケジュール差異(SV):EV – PV
– 正の値:進捗が計画以上であることを示す
– 負の値:進捗遅延を示す
各選択肢を分析します:
- ア:実コスト(AC)がアーンドバリュー(EV)を上回り、アーンドバリュー(EV)がプランドバリュー(PV)を上回る。
分析:AC > EV → CVが負(コスト超過)、EV > PV → SVが正(進捗が計画以上)
結論:コスト超過の可能性があるため、不適切。
- イ:実コスト(AC)がアーンドバリュー(EV)を上回り、アーンドバリュー(EV)がプランドバリュー(PV)を下回る。
分析:AC > EV → CVが負(コスト超過)、PV > EV → SVが負(進捗遅延)
結論:コスト超過と進捗遅延の可能性があるため、不適切。
- ウ:実コスト(AC)がアーンドバリュー(EV)を下回り、アーンドバリュー(EV)がプランドバリュー(PV)を上回る。
分析:AC < EV → CVが負(コストが予算内)、EV > PV → SVが正(進捗が計画以上)
結論:コストも納期も問題ないと予測されるため、適切。
- エ:実コスト(AC)がアーンドバリュー(EV)を下回り、アーンドバリュー(EV)がプランドバリュー(PV)を下回る。
分析:AC < EV → CVが負(コストが予算内)、PV > EV → SVが負(進捗遅延)
結論:進捗遅延の可能性があるため、不適切。
出典:平成25年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問11