平成26年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問22
【問題22】
ソフトウェア開発を下請事業者に委託する際、下請代金支払遅延等防止法に照らして、禁止されている行為はどれか。
継続的な取引が行われているので、支払条件、支払期日等を記載した書面をあらかじめ交付し、個々の発注書面にはその事項の記載を省略する。
顧客の都合で、仕様変更の必要が生じたので、下請事業者と協議の上、発生する費用の増加分を下請代金に加算することで仕様変更に応じてもらう。
顧客の求める仕様が確定していなかったので、発注の際に下請事業者に仕様が未記載の書面を交付し、仕様が確定した時点では、内容を書面ではなく口頭で伝えた。
振込手数料を下請事業者が負担する旨を発注前に書面で合意したので、親事業者が負担した実費の範囲内で振込手数料を差し引いて下請代金を支払う。
【解説】
ア: 継続的な取引が行われているので、支払条件、支払期日等を記載した書面をあらかじめ交付し、個々の発注書面にはその事項の記載を省略する。
適切。下請法では、発注ごとに支払条件等を記載した書面の交付が義務付けられていますが、継続的な取引において、共通する事項をあらかじめ書面で通知している場合、個々の発注書面での記載を省略することが認められています。
イ: 顧客の都合で、仕様変更の必要が生じたので、下請事業者と協議の上、発生する費用の増加分を下請代金に加算することで仕様変更に応じてもらう。
適切。仕様変更に伴う追加費用を下請事業者と協議し、適切に支払うことは問題ありません。
ウ: 顧客の求める仕様が確定していなかったので、発注の際に下請事業者に仕様が未記載の書面を交付し、仕様が確定した時点では、内容を書面ではなく口頭で伝えた。
不適切。発注書面には、下請事業者の給付内容として、品目、品種、数量、規格、仕様等を明確に記載する必要があります。仕様が未確定の場合、その旨と理由、確定予定期日を記載し、仕様確定後は速やかに書面で通知することが求められます。口頭での伝達は下請法違反となります。
エ: 振込手数料を下請事業者が負担する旨を発注前に書面で合意したので、親事業者が負担した実費の範囲内で振込手数料を差し引いて下請代金を支払う。
適切。振込手数料の負担について、事前に書面で合意している場合、親事業者が実費の範囲内で振込手数料を差し引くことは認められています。
【答え】
ウ: 顧客の求める仕様が確定していなかったので、発注の際に下請事業者に仕様が未記載の書面を交付し、仕様が確定した時点では、内容を書面ではなく口頭で伝えた。
出典:平成26年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問22