令和5年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問17
2025年7月3日
【問題17】
組込み機器用のソフトウェアを開発委託する契約書に開発成果物の著作権の帰属先が記載されていない場合,委託元であるソフトウェア発注者に発生するおそれがある問題はどれか。ここで,当該ソフトウェアの開発は委託先が全て行うものとする。
開発成果物を,委託元で開発する別のソフトウェアに適用できなくなる。
当該ソフトウェアのソースコードを公開することが義務付けられる。
当該ソフトウェアを他社に販売する場合,バイナリ形式では販売できるが,ソースコードは販売できなくなる。
当該ソフトウェアを組み込んだ機器のハードウェア部分の特許を取得できなくなる。
【解説】
ア: 開発成果物を,委託元で開発する別のソフトウェアに適用できなくなる。
正しい。契約書に著作権の帰属先が記載されていない場合,著作権は原則として開発した委託先に帰属します。そのため,委託元が成果物を自由に再利用することができなくなるリスクがあります。
イ: 当該ソフトウェアのソースコードを公開することが義務付けられる。
誤り。ソースコードの公開義務は契約やライセンス条件に基づくものであり,著作権の帰属だけで公開が義務付けられるわけではありません。
ウ: 当該ソフトウェアを他社に販売する場合,バイナリ形式では販売できるが,ソースコードは販売できなくなる。
誤り。販売形態の制限は著作権の帰属とは直接関係せず,契約条件で決まる内容です。
エ: 当該ソフトウェアを組み込んだ機器のハードウェア部分の特許を取得できなくなる。
誤り。特許権と著作権は別の権利であり,ソフトウェアの著作権がハードウェア特許に影響を与えることは基本的にありません。
【答え】
ア: 開発成果物を,委託元で開発する別のソフトウェアに適用できなくなる。
出典:令和5年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問17