令和6年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問21
2025年7月3日
【問題21】
経済産業省が公表した“AI・データの利用に関する契約ガイドライン 1.1版”における,AI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関するユーザーとベンダー間の契約についての記述のうち,適切なものはどれか。
AI技術の発展・普及に伴い,法律は適宜改正されており,AI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関するユーザーとベンダー間の契約に関する権利関係や責任関係は,全て法律で規定されている。
AI技術を利用したソフトウェアの開発でユーザーがベンダーに提供するデータは,一般に公表されているデータだけを使うので,その経済的価値や,秘匿性に関して,契約上考慮する必要はない。
ユーザーとベンダー間でAI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約プラクティスが確立していないことが,AI技術を利用したソフトウェアに関する法的問題が発生する一因である。
ユーザーとベンダー間でAI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約を締結する際に,法的拘束力を有するこのガイドラインにのっとって責任分担を明確にしなければならない。
【解説】
ア: AI技術の発展・普及に伴い,法律は適宜改正されており,AI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関するユーザーとベンダー間の契約に関する権利関係や責任関係は,全て法律で規定されている。
誤り。法律だけでは全ての権利関係や責任関係が規定されているわけではなく、個別契約で明確にすることが求められています。
イ: AI技術を利用したソフトウェアの開発でユーザーがベンダーに提供するデータは,一般に公表されているデータだけを使うので,その経済的価値や,秘匿性に関して,契約上考慮する必要はない。
誤り。データの経済的価値や秘匿性は契約において重要な要素であり、考慮が必要です。
ウ: ユーザーとベンダー間でAI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約プラクティスが確立していないことが,AI技術を利用したソフトウェアに関する法的問題が発生する一因である。
正しい。ガイドラインでは、契約プラクティスの確立の必要性が強調されており、それが法的問題を防ぐ手段であるとされています。
エ: ユーザーとベンダー間でAI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約を締結する際に,法的拘束力を有するこのガイドラインにのっとって責任分担を明確にしなければならない。
誤り。ガイドラインは法的拘束力を持たず、参考として用いられるものです。
【答え】
ウ: ユーザーとベンダー間でAI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約プラクティスが確立していないことが,AI技術を利用したソフトウェアに関する法的問題が発生する一因である。
出典:令和6年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問21