令和6年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問22
2025年7月3日
【問題22】
技術者倫理における集団思考の問題点として,アーヴィング・ジャニスが指摘した八つの兆候のうちの“心の警備”の説明として,適切なものはどれか。
自分の所属している集団は失敗することがなく,又は万が一失敗しても集団は存続すると考える。
集団に新しく加わったメンバーなどが異議を唱える場合には,それを阻止して,集団を保護しようとする。
他のメンバーから特に意見が出されず,発言者以外の全メンバーが沈黙している場合は,その意見を集団組織の一致した意見とみなす。
反対する少数メンバーがいる場合は,そのメンバーに圧力を加えて統一した意見にさせる。
【解説】
ア: 自分の所属している集団は失敗することがなく,又は万が一失敗しても集団は存続すると考える。
誤り。これは「集団の無謬性の幻想」に関する説明であり、“心の警備”には該当しません。
イ: 集団に新しく加わったメンバーなどが異議を唱える場合には,それを阻止して,集団を保護しようとする。
正しい。これは“心の警備”に該当します。“心の警備”とは、集団が異議を防ぎ、集団の凝集性を守るための行動を取る兆候を指します。
ウ: 他のメンバーから特に意見が出されず,発言者以外の全メンバーが沈黙している場合は,その意見を集団組織の一致した意見とみなす。
誤り。これは「合意の幻想」に該当する兆候であり、“心の警備”ではありません。
エ: 反対する少数メンバーがいる場合は,そのメンバーに圧力を加えて統一した意見にさせる。
誤り。これは「圧力の行使」に関する兆候であり、“心の警備”には該当しません。
【答え】
イ: 集団に新しく加わったメンバーなどが異議を唱える場合には,それを阻止して,集団を保護しようとする。
出典:令和6年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問22