平成28年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問8
【問題8】
プロジェクトの進捗管理をEVM(Earned Value Management)で行っている。コストが超過せず、納期にも遅れないと予測されるプロジェクトの状況を表しているのはどれか。ここで、それぞれのプロジェクトの今後の開発生産性は現在までと変わらないものとする。

【解説】
EVM(Earned Value Management)は、プロジェクトの進捗とコストパフォーマンスを定量的に評価する手法です。主な指標は以下のとおりです。
- PV(Planned Value): 計画された作業の予算(計画値)
- EV(Earned Value): 実際に完了した作業の予算(出来高)
- AC(Actual Cost): 実際に発生したコスト
これらの指標を用いて、以下の差異を計算します。
- コスト差異(CV): EV – AC
- 正の値 → コストが予算内
- 負の値 → コスト超過
- スケジュール差異(SV): EV – PV
各選択肢の分析結果は以下の通りです。
ア: AC > EV(コスト超過), EV > PV(進捗良好) → コスト超過の可能性があるため不適切。
イ: AC > EV(コスト超過), PV > EV(進捗遅延) → コスト超過かつ進捗遅延の可能性があるため不適切。
ウ: AC < EV(予算内), EV > PV(進捗良好) → コストも納期も問題なしと予測されるため適切。
エ: AC < EV(予算内), PV > EV(進捗遅延) → 進捗遅延の可能性があるため不適切。
【答え】
ウ: 実コスト(AC)がアーンドバリュー(EV)を下回り、アーンドバリュー(EV)がプランドバリュー(PV)を上回る。
出典:平成28年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問8