令和2年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問11
2025年7月3日
【問題11】
PMBOKガイド 第6版によれば、リスクにはプロジェクト目標にマイナスの影響を及ぼす“脅威”と、プラスの影響を及ぼす“好機”がある。リスクに対応する戦略のうち、“好機”に対する戦略である“強化”に該当するものはどれか。
アクティビティを予定よりも早く終了させるために、計画よりも多くの資源を投入する。
リスク共有のパートナーシップ、チーム、ジョイント・ベンチャーなどを形成する。
リスクに対処するために、時間、資金、資源の量などに関してコンティンジェンシー予備を設ける。
リスクを定期的にレビューする以外の行動はとらず、リスクが顕在化したときにプロジェクト・チームが対処する。
【解説】
PMBOKガイド 第6版では、プロジェクトにプラスの影響を与えるリスク(好機)への対応戦略を以下の4種類に分類しています。
- 活用: 好機が確実に到来するように、現実化の不確実性を取り除くための戦略。
- 共有: 好機を得られる能力の高い第三者にプロジェクトの実行権限の一部、または全部を与える戦略。
- 強化: 好機のプラスの影響を増加させたり、その発生確率を高めたりする戦略。
- 受容: 積極的な利用はしないが、好機が現実化したときにはその利益を享受しようとする戦略。
ア: アクティビティを予定よりも早く終了させるために、計画よりも多くの資源を投入する。
正しい。これは“好機”を活用するための戦略である“強化”に該当します。資源を追加投入することで、プラスの影響を最大化し、目標を達成しやすくします。
イ: リスク共有のパートナーシップ、チーム、ジョイント・ベンチャーなどを形成する。
誤り。“共有”に該当します。これはリスクを他の主体と分担して効果を高める戦略です。
ウ: リスクに対処するために、時間、資金、資源の量などに関してコンティンジェンシー予備を設ける。
誤り。これは主に“脅威”に対応する戦略であり、“回避”または“軽減”に該当します。
エ: リスクを定期的にレビューする以外の行動はとらず、リスクが顕在化したときにプロジェクト・チームが対処する。
誤り。これは“受容”に該当します。この戦略では積極的な対応を取らず、リスクが現実化した際に対応します。
【答え】
ア: アクティビティを予定よりも早く終了させるために、計画よりも多くの資源を投入する。
出典:令和2年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問11