平成30年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問8
【問題8】
COCOMO には、システム開発の工数を見積もる式の一つとして次式がある。
開発工数 = 3.0 × (開発規模)^1.12
この式を基に、開発規模と開発生産性(開発規模/開発工数)の関係を表したグラフはどれか。ここで、開発工数の単位は人月、開発規模の単位はキロ行とする。
【解説】
1. COCOMOモデルの特性
COCOMOモデルでは、開発規模が大きくなるにつれて開発工数が比例以上に増加します(非線形の指数関数)。このため、開発規模が増えると、開発規模に対する工数の増加が相対的に高まり、開発生産性(開発規模 / 開発工数)は減少します。
2. 生産性の計算と特徴
– 開発生産性 = 開発規模 / 開発工数
– 開発工数 = 3.0 × (開発規模)^1.12
– 生産性 = 開発規模 / [3.0 × (開発規模)^1.12]
– 生産性 ∝ 1 / (開発規模)^0.12
これにより、開発規模が大きくなると開発生産性は徐々に低下するグラフになります。
3. グラフの選択
– ア: 開発規模が増えると生産性が一定になる(誤り)。
– イ: 開発規模が増えると生産性が増加する(誤り)。
– ウ: 開発規模が増えると生産性が急激に減少する(誤り)。
– エ: 開発規模が増えると生産性が徐々に減少する(正しい)。
出典:平成30年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前II 問8